(カリフォルニア州リバーサイド、2014年3月26日) - Bourns, Inc. の創業者であり、Trimpot® トリミング・ポテンショメーターの発明者でもあるMarlan Bourns 氏が、2014年3月18日に逝去した。同氏の家族はカリフォルニア州サンタアナのKindred Hospital で同氏の下に集まり、最期を看取った。Marlan は93歳で、加齢による複数の疾患と戦っていた。
Marlan と妻のRosemaryは、カリフォルニア州アルタデナにおける自宅の裏手にある1つの自動車ガレージで、当初はBourns Laboratories という名称でBourns, Inc. を創業した。Marlan は1952年、Trimpot® トリミング・ポテンショメーターを発明し、特許を取得した。62年後の今日でも、Trimpot® トリミング・ポテンショメーターはBourns の最も良く知られた製品である。Marlan は100を超える特許を保有し、顧客ニーズを満たすイノベーティブな方法を見い出すよう同社のエンジニアたちをよく奨励していた。
Marlan はFrank Bourns およびBernice Bourns の息子であり、1920年5月28日にミシガン州ブライトン・タウンシップで生まれた。その後ミシガン大学で物理学の学士号を獲得し、ファイ・ベータ・カッパ優等学生友愛会の終身会員となった。大学の機械工場で複雑なコンセプトをハードウェアに変える中で優れた手腕を示し、評判を得た。こうした実戦経験を買われて、彼は第二次世界大戦中、マンハッタン計画の根幹であったカリフォルニア工科大学におけるアメリカ合衆国海軍の最高機密プログラムに召集されたが、プロジェクト完了までプログラムの目的について知らされていなかった。
Marlan とRosemary は、Rosemary がミシガン大学を卒業した数日後の1947年7月7日に結婚し、カリフォルニア州全土をドライブしてハネムーンを過ごした。Marlan はCal Tech 社での業績を高く評価されていたが、彼とRosemary は自分たちのビジネスであるBourns Laboratories を創設するという夢を追求することを望んだ。Marlan は航空機用変換器製品を設計、製造する一方で、Rosemary は事業の経営、販売面のさまざまな実務を担当した。Marlan と数人のエンジニアおよび機械運転者はガレージで作業して製品を製造し、Rosemary の台所で製品をテストし、オーブンや冷凍庫を使用して高低温環境下試験を実施した。こうした取り組みが最終的に実を結んで、リニアモーションポテンショメーター、風向変換機、加速度計、ブルドン管圧力変換器など、Bourns Laboratories が製作しうるすべての製品につき、サンディエゴのConsolidated Vultee より$17,000 の大口注文を受けることとなった。これらの製品は、飛行機および誘導面の飛行面、加速、油圧、高度の計測のためにきわめて重要であった。Bourns Laboratories はBourns, Inc. となり、国際企業へと成長した。パイロットが月面着陸モジュールを月面へと静かに着陸させるために用いた操作管内のセンサーや、月面歩行時に酸素を調節するための宇宙飛行士用バックパック内の圧力変換器など、Bourns の製品は、Apollo の月面着陸ミッションの成功に向けて大きな役割を果たした。また、Bourns® のコンポーネントは、火星ローバーなどの惑星間探査機にも用いられている。
Marlan のリーダーシップの下で、Bourns, Inc. は電子コンポーネント業界において多くの先例を樹立した。Bourns, Inc. は従業員に利益配当を行った最初の企業の一つでもあった。Bourns de Mexico は現在、ティファナで最も歴史のあるマキラドーラであり、メキシコ全体でも最も古いマキラドーラの一つである。Bourns は、コスタリカのサンホセおよび中国のアモイで工場を設立した最初のエレクトロニクス企業の一つであり、これらの地では今日、多数のハイテク企業が集まっている。これらの工場や世界本社のあるカリフォルニア州リバーサイドに加えて、Bourns はミシガン州オーバーン・ヒルズ、カリフォルニア州サンタ・クララ、ユタ州ローガン、メキシコのチワワ、英国のベッドフォード、ハンガリーのアイカ、ドイツのザウアーラハ、アイルランドのコーク、台湾の林口および台北、中国の上海に製造工場または設計センターを有している。同社はさまざまな用途のために広範囲の製品を製造、販売している。Bourns® ポテンショメーターは、MRIおよびCAT、スキャン用に患者の位置決めを制御するほか、エレキ・ギターのトーンおよび音量を制御する。Bourns® センサーは、乗客の安全性を大幅に向上させるため、自動車のアクセル、ブレーキ、ステアリングおよび安定性を制御する。Trimpot® トリミング・ポテンショメーターは、携帯電話の基地局の電源を制御し、Bourns® 避雷器はホームおよびオフィスを落雷による電力サージより保護し、Bourns® セルフリセッタブルヒューズは、電池を過熱より守る製品である。今日、同社は約4,500 人の従業員を雇用している。
キャリアを通じて、Marlan は多くの業績に対し数多くの表彰を受けた。最近、Marlan は、2012年6月18日にカリフォルニア大学リバーサイド校ボーンズ・カレッジ・オブ・エンジニアリング(BCOE)で行われた卒業式で特別会員の表彰を受ける栄誉に預かった。Abbaschian 校長はBourns 一家およびBourns 基金に対し、600万ドルの寄付金および、BCOE の21年の歴史における支援に対する謝辞を表明した。この寄付金は現在1,000万ドルに増加している。Abbaschian 校長は、BCOE は2,300人の学部生、600人の大学院生を擁するまでに成長したと述べた。2010年、カルフォルニア州立大学サンバーナーディノ校は、Bourns 一家に起業家精神特別功労賞を授与した。また、Marlan Bourns およびRosemary Bourn は、「センサーズ」誌の1996年度特別功労賞の受賞者として表彰された。Marlan は米国ボーイ・スカウトに非常に積極的に関与し、1956年にはボーイ・スカウト最高の賞であるシルバー・ビーバー章を受賞した。また、Marlan とRosemary はヤング・プレジデンツ・オーガニゼーションにおいて積極的に活動し、世界経済人会議を共同設立して関与した。
Marlin と65年間連れ添った妻のRosemary は、2012年に亡くなっている。2人はGordon、Linda (Hill)、Anita(Macbeth)、Denise(Moyles)の4人の子供とその4人の配偶者、14人の孫とその8人の配偶者、6人のひ孫を遺した。一家はMarlan のユーモアのセンス、ゲームへの情熱、人への思いやりを愛情を込めて回想している。Marlan の死は大いに悼まれることになり、彼は自らの人生に使命感を持ち、他の人を尊重して生きた寛大で素晴らしい人として人々の記憶に残るだろう。
献花に加えて、Bourns 一家はMarlanの栄誉を称えるべく、カリフォルニア大学リバーサイド校BCOE およびカリフォルニア・バプティスト大学工学部ボーンズ研究所への寄付を呼びかけている。UC リバーサイド校マーラン・ボーンズ記念基金へのオンラインリンクは下記の通りです。https://advancementservices.ucr.edu/AdvanceOnlineGiving/Search?key=200748CBU マーラン・ボーンズ記念基金へのオンラインリンクは下記の通りです。www.calbaptist.edu/marlanbourns.